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2010-05-06

2010年は「3D元年」になるか

 2010年は「3D元年」と呼ばれています。3D映画『アバター』が驚異的なスピードで『タイタニック』が持っていた世界映画興行記録を塗り替え、3Dが一躍注目されるようになりました。

 それに続くかのように各家電メーカーは3D対応テレビを発表。放送業界では、NHKがBS11で既に3D放送を開始しています。ジュピターテレコムは4月に自社のケーブルテレビサービスをスタート、スカパーJSATは2010年夏に3D映像配信を始める予定です。

 ゲーム業界では、ソニーがPlayStation3の3D対応をシステムアップデートで実現、一方任天堂はDSシリーズに、眼鏡を使わない裸眼3Dを実装した新しいDSシリーズを投入します。盛り上がる3Dですが、提供者側のお祭り騒ぎとは裏腹に、サービスを利用する側からは「3Dは流行らない」「3Dじゃなくてもいい」「あんな重い眼鏡かけてテレビ見ないでしょう」など否定的な意見も耳に入ってきます。

 現在、3Dを体感する場として、各家電メーカーはショールームでのイベントなどを通して3Dを体験させる取り組みを行っています。実際に体験すると期待はずれなことが多く、映画を体験した人より否定的な意見が多い気がします。2010年が3D元年になり得るのかはさまざまな場で議論されていますが、どうしても視点が技術寄りに偏ってしまう傾向があります。消費者は、3Dの技術的な方式よりも、感動的な3D体験がしたいのです。

●3C+Tの視点

 正直なところ、技術的な視点は一般ユーザーからすればどうでもいい話です。もちろん素晴らしい3Dを体験してその仕組みが知りたくなるというのは分かりますが、3Dを体験する前から技術的概念を理解しようとするでしょうか。サービス提供者側も、提供している情報がユーザーに届かなければ意味がありません。両サイドのニーズをフィットさせるために、3D市場を3C+Tの視点で整理すると分かりやすくなります。

 3Cとは、Contents(コンテンツ)、Comfort(快適さ)、Collaboration(協調)、Tは3Cを実現するためのTechnology(技術)です。面白いコンテンツが快適に、手軽に楽しめるか、それをどんな技術が支えているかを整理するわけです。            

●コンテンツの視点

 最初に確認しておきたいのは、3Dは最近になって登場した技術ではないことです。映画業界では、テレビの急激な普及に伴い映画離れが深刻になり、3Dという話題性で1969年の映画『飛び出す冒険映画 赤影』が日本最初の3D映画として上映されました。雑誌のおまけでお馴染みの「アナグリフ式」と呼ぶ、赤と青のメガネをかけて3Dを見せる仕組みです。当時の3D映画は、全編3Dではなく、映画からの合図で一部だけメガネをかけるようなものでした。現在の3Dと比較するようなものではなかったのです。

 『飛び出す人造人間キカイダー』(1973年)も話題にはなりましたが、制作コストとメガネを配布する手間が掛かりました。3Dという話題性だけで客が集まるほど甘くないのが実情で、結局は続きませんでした。ハリウッドでも1983年に『13日の金曜日 パート3』『ジョーズ3』と3D作品をリリースしましたが、それほど立体感がなく、映画自体もB級でぱっとしませんでした。結果的に、消費者は3Dへの興味を失っていったのです。

 また意外にも1980年代にビデオ機器とゲーム機の世界でも3Dの製品はすでに登場していました。ビデオ機器ではLD(レーザーディスク)との規格争いに敗れたVHD(Video High Density Disc)が、1980年代後半に液晶シャッター内蔵のメガネで左右の画像を交互に見せる方式でビデオ映像の3Dビデオ機器を、ゲームでは同じ時期に同じ方式でファミリーコンピュータ向けに別売りで「ファミコン3Dシステム」が販売されました。しかし80年代の映画と同様にVHDに関しては、20タイトル、ファミコンソフトも7タイトルと絶対的に少ない数しかリリースされず、これといったキラーコンテンツもなかったため、そのままビデオ機とゲームの3Dはひっそりと消えていきました。

 結果的に、3Dは時代とともに消えていきました。過去に失敗した3D関連の商品には共通点があります。3Dという話題性と期待はあるものの、それを満足に変えるような優れたコンテンツがなかったことです。コンテンツと技術のどちらが先かは、鶏と卵の議論に例えられます。しかし、この分野については、コンテンツがなければ流行らないということが過去の映画、メディア、ゲームの事例からもよく分かります。まずはコンテンツであるといえるのです。

 では、コンテンツという視点から、3D元年である2010年はどうなっているでしょうか。映画ではアバターに続き、『タイタンの戦い』『アリス・イン・ワンダーランド』『バイオハザードIV』、アニメ系もディズニーの『スパイアニマル・Gフォース』『トイ・ストーリー3』『シュレック フォーエバー』と話題の大作が続きます。それ以降も『ハリーポッター』シリーズ、『トランスフォーマー3』『スパイダーマン4』などが登場する予定で、話題には事欠きません。3D映画コンテンツに関してハリウッドは本気なのです。

 映画以外でも、スポーツコンテンツで、ゴルフPGAツアー、サッカーのFIFAワールドカップなどの3D中継が発表されています。PS3、DSともにキラーコンテンツの3D化が期待されます。2010年は、コンテンツという面で3D元年に相応しいコンテンツが広いジャンルでそろう見通しが出てきました。

●3Dをリードするコンテンツは映画

 3D関連市場概観を見ると、テレビやビデオ機器などの映像機器市場が2兆円、放送事業が4兆円市場であるのに対して、映画興行市場はたったの0.2兆円しかありません。派手なイメージとは裏腹に規模が小さいのが実情です。2次利用としてのソフト販売も2009年ベースで780億円程度、レンタル市場が3000億円程度でレンタル市場のほぼ4割が映画コンテンツですので、映画ソフトはレンタル市場込みでも0.2兆円規模でイメージとは程遠く感じるのではないでしょうか。4割が映画コンテンツとして、ソフト市場全体で0.2兆円規模の市場でしょう。

 もちろん3Dコンテンツは映画だけではなくゲーム、スポーツ、観光や音楽など、注目される3Dコンテンツは多岐のジャンルにわたっています。しかし、3D元年として3Dの成功体験を提供するという視点で見落としてはいけないのは、3Dの魅力を伝える場として映画館の音響設備と大スクリーンの迫力です。

 さらに映画の洗練されたストーリーでの感動も加わり、総合的な3Dの成功体験の「場」を映画は提供しているのです。現在、映画館の3Dは4つの方式で上映されていますが、スクリーン数は全方式トータルで300スクリーンに迫る勢いです。これだけの数、3D上映可能な映画館レベルのデモスペースをそろえる事は大手家電メーカーにも不可能でしょう。つまり3Dの成功体験が3D市場を活性化すると考えるならば、まず映画館に誘導し、一般に3Dのイメージを成功体験として植えつけるべきといえるでしょう。

●映画を見ると3Dを家でも楽しみたくなる

 オリコンの「3D映画・3Dテレビ意識調査」によるとアバターを見た人の75.2%が強い満足感を得ており、満足の理由に3Dを挙げています。また、3D映画を体験した方が3D対応テレビの購入意欲が14.3%も高く、パッケージを購入する際は31.8%が3Dで購入したいという結果も出ています。単純に言えば、面白い3D映画を観た人は3Dに興味を持ち、ソフトは3Dで観たくなり、3Dテレビが欲しくなるという傾向がうかがえます。

 2009年は、パッケージ市場にとっては厳しい年となりました。過去の作品が一巡し、新作ソフトが現象したためです。パッケージ市場にとっての期待は、DVDからBlue-rayへの主役交代です。3Dへの購買意欲の高まりは、3DTV、3D対応BD再生機への購買を促します。3Dは技術的にDVDではなく、3D対応Blue-rayでの再生となりますので、3Dパッケージへの購買意欲の高まりは、Blue-rayのシェア拡大をさらに後押しすることにもなります。

 もちろん、3Dを楽しむためには3D対応のテレビも必要になりますので、家電メーカーとしては3D対応再生機と3D対応テレビと2重の喜びです。

 「映画館での成功体験が3Dソフト購入の意欲につながり、ひいては3D再生機、3D対応テレビの購入を促す」

 という流れになり、市場は小さいものの、映画をきっかけに、メディアはDVDがBlue-ray、再生機は3D対応BD機、3Dテレビの普及へと波及する可能性があるのです。つまり3D元年に3D関連業界は、消費者を映画へと誘導し、3Dの成功体験をさせることが重要なのです。

●快適でなければ普及しない

 4月10日、経済産業省が3D映像による目への悪影響を防ぐための安全指針案を業界と協力してまとめました。コンテンツ作成者に対する指針です。3D普及のためにはコンテンツが最重要であり、コンテンツとして映画が3D元年の出発点になると前の章で述べました。しかし、感動を与えてくれる3Dも、疲れたり気分が悪くなったりしてしまっては、もう一度観たいとは思わなくなってしまいます。ましてや、家で体験したいとは思わなくなってしまうでしょう。経済産業省の取り組みは、コンテンツ作成者側に、快適な3Dコンテンツ作成の指針を与えたものです。

 快適さと言えば、今回アバターでは、4つの3D上映方式があったのをご存知でしょうか。各方式は技術的な違いや、既存スクリーンを使えるかなど、提供者側の事情はありますが、快適さについては3Dメガネが鍵を握っています。わたしは今回4方式すべての上映館でアバターを観てみましたが「メガネによって疲れがこんなにも違うのか」と自分でも驚いたほどです。

 家電メーカーのデモでは数十分の短いコンテンツですので、それほど疲れることはありません。しかし、2時間を超える(162分)映画となると、頭痛の原因になったものもありました。「XpanD」という方式が圧倒的に多いのですが、家であの重く大きなメガネを装着して映画を見るシーンは想像できませんでした。しかし、全国で4館しか上映していな「IMAX 3D」という方式では、3Dの立体感も画像の鮮やかさも圧巻です。メガネも軽くほとんど疲れは感じませんでした。

 映画館での体験を家庭に持ち込み、家で楽しむためには、まずこのメガネの改良が必要でしょう。同じアバターを観た人でも、3Dを観た際の感想が違う場合は、どの方式で観たのかの確認が必要です。現在、パナソニックやソニーでは、最新の3Dテレビを使ったデモを体験できますので、一度その装着感と疲れの程度を体感してみるといいでしょう。

 快適さの一例として、経済産業省のコンテンツ制作への指針、ユーザーが体に身に着けるメガネを例に出しました。さらに3Dを普及させるためには、3D用チェアや3D用のテレビスタンド、照明などにも着目し、快適に3Dを楽しむための取り組みを徹底することが重要でしょう。

●コラボレーションがなぜ必要なのか

 ハリウッド映画は全世界での展開を視野に入れているので製作費100億円級の作品もありますが、日本では大作でも10億円程度です。邦画のシェアは国内では逆転しており、日本でも3D映画の製作が当然のごとく期待されています。しかし、3D映画の製作には莫大な費用がかかり、撮影期間も倍くらいはかかると言われています。ハリウッドの3D大作で目の肥えた消費者に、低品質の3Dは通用しません。制作費を削って質を落とせば逆効果になりかねません。  

 アバターでは、監督のジェイムス・キャメロンがフュージョンカメラシステムと呼ばれる小型の3Dカメラを自ら開発しました。開発には1000万ドル以上の費用を投じたと言われていますが、これだけの投資ができる監督は、ハリウッドでも一握りです。

 ソニーは、3D戦略として「360度ソリューション」を打ち出しました。これは、放送を対象に製作から流通、最終的には端末とトータルサポートで3Dを推進しようとするものです。映画や音楽コンテンツに対しても同じ戦略を展開します。

 ソニーの戦略は、既存のビジネスモデルでは成しえないビジネスの可能性を秘めています。高額な3D製作にかかわる費用を、例えばビジネスモデルを変えることによって大幅に削減できれば、邦画にも多くの可能性が広がるでしょう。もちろん映画にこだわる必要もありません。日本で圧倒的な強さを誇るアイドル系のライブを劇場に3D配信するという発想もできますし、スポーツ中継も良いかもしれません。いずれにせよ、ビジネスモデルが少し変わり、多様な協調が企業間で行われれば、さまざまなトライアルが可能になり、新しいビジネスの可能性が出てくるのです。

●技術は裏方

 3Dの感動を支えるのは最新の技術であることは疑う余地がありません。しかし、あくまでも技術は裏方の存在です。3D映画の4方式も、液晶とプラズマの優位性の話も、あくまで体験し、感動したか否か、快適か否か、映画館へ足を運んだり、家に専用の機器をそろえたりするのにお金を払う価値があると感じるか否かという単純な発想からアプローチすべきでしょう。

 技術説明の押し売りは禁物です。まずは、映画館に足を運ばせ、3Dのすごさを体験させる。そして、家電メーカーや放送業界のイベントなどで、家庭向きについても快適性を実感させ、家で3Dを楽しむシーンを想像させなければなりません。3Dは大変魅力的な技術です。3D元年を実際のものとするためには、原点に立ち返り、3C+Tの視点で案を練るべきです。そしてユーザーが求める感動を与えるための技術革新に取り組むべきだと考えます。【松永 エリック・匡史】

(ITmedia エグゼクティブ)

「引用元:Yahoo!JAPANニュース」
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Author:johjohjoh
修士課程1年の学生で、
現在マイクロマシンの研究をしています。
アメリカでPh.D.を取るべく頑張っています。

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